「かっちゃんの誕生日?4月20日だよ」
仲が特別良いというわけでもないのにさらっと返答できる辺りが幼馴染ってやつなんだなと感慨深く思いつつ、スケジュール帳にメモする。あれ、でも私電気の誕生日覚えてないぞ。んん?…まぁいいか。
緑谷くんから爆豪くんの誕生日を聞き出したのは二年に進級した初日のこと。4月誕生日か…それは祝う機会がないわけだ。ちなみに何度か本人から聞き出そうとしたが、全て素気無くスルーされた。メッセージで尋ねた時などは[カス]スタンプが送られてくる始末。待って、そんなスタンプある?爆豪くん専用じゃん。
ともかく、ようやく裏ルートではあったが誕生日をゲット出来た。そしてそれほど日がないことに焦る。…そもそも、プレゼントって受け取ってもらえるんだろうか。
「バクゴー、朝も女子に呼ばれてたわ」
「ハァ〜?告白イベントですか??モテる男はやだねぇ」
そんな会話が耳に入ってきたのは昼休みのことである。食べ終わった生徒から雑談が始まる。食堂の席は少なくはないから居座る生徒も多い。
思わずその会話に聞き耳を立ててしまった。雄英といえども高校生、上鳴や峰田くんみたいに学業より異性へのアピールを優先していそうな生徒もいるのだ。轟くん爆豪くんを筆頭に、ヒーロー科は将来有望とみて今から確保にいこうとするのも分からないでもない、が。
「なんか、想像つかないな〜」
「何が?」
「例えば轟はともかくさ、爆豪が彼女いたりするの想像つかなくない?」
「わかる。彼女どれだけ聖人なのよって感じ」
これまた別のグループの会話。彼女達のなかでは爆豪くんの評価は低いらしい。私はランチラッシュの作った月見うどんを食べながら、もやもやした心を燻らせていた。
体育祭や文化祭での彼しか見たことない人に好き勝手に言われるのは腹が立つ。本人は気にしないだろうが、私は爆豪くんの熱烈フォロワーなのでめちゃくちゃ気にしてしまうのだ。
「爆豪くん、結構優しい方だと思うんだけどな」
「それは…同意しかねるなぁ」
「そうかなぁ、分かりにくいだけだよ。う〜ん、やっぱり暴言がよくないのかな」
「よくないってレベルじゃないんだよね…」
一緒のテーブルについていた耳郎さんはもはや右から左へ流すような返答になっている。隣にいる八百万さんも「暴言はよくないですね」と頷いていた。クラスメイトでさえこの評価。私はどうフォローしたらいいか分からない。
「爆豪くんから暴言をとったらなんかマイルドになって嫌じゃない?」
「まぁ、確かに。こっちが調子狂うわね」
「では爆豪さんの暴言は必然ということですの?」
「…ヤオモモ、感化されちゃだめよ」
爆豪くんの暴言、「ボケ」「カス」「クソ」から始まり「死ね」「ぶっ潰す」「殺すぞ」。あまりにも過激な語尾に私はもう慣れてしまったのだ。そういえば最初に「ブス」って言われてムカっとしちゃったんだよな…懐かしいな、などと懐古するほどに順応し切っていた。あーでも、ブスじゃ最初に思い描いていたあだ名としてはインパクト薄いな。ブスストーカーも語呂悪いし。
「…なんか楽しそうな顔してるね」
「や、爆豪くんが『ブス』以外のあだ名つけてくれないかなーって」
「は?」
今度こそ耳郎さんも八百万さんも訳がわからないという風に怪訝な顔をしていた。
休日、外出をする時に暇そうな上鳴を捕まえられたのはラッキーだった。インターンで皆出払っていたのと、プレゼント用に男子側の意見が欲しかったから。上鳴のセンスならそれほど外れたものは選ばないはずだ。こういう時便利な奴でほんとに助かる。あと、まだ一人での外出に不安があったのもある。そこは言いたくないので伏せておくが。
電車に揺られながら、昨日共同スペースで見たバラエティ番組について話したり、お互いのインターン先の話をしたり。そういえばこういう話、爆豪くんとはしたことないな。してくれそうにないしな…。
無事目的の駅に着いたところで、上鳴がぽつりと呟いた。
「しかし、爆豪に誕プレねぇ」
「なんか文句でも?」
「いや別に」
上鳴の顔が締まりのないのは今に始まったことじゃないからへらへらしてるのは置いておくとして、なんか含みのある言い方だな。なんだかむっとしてじろりと睨みを利かせてみるが、相変わらずへらりと笑っている。楽しみをとっておくときの顔だ、これは。
めんどくさいので無視して改札をくぐる。後ろから追ってきた奴はICカードの残金不足で止められていた。
「やーい、ばかみなり」
「この、そこで待っとけよ!」
「やだ」
べっ、と舌を出して商店街に向かう。人通りは休日だけあってそこそこ。さて、どこに向かおうか。
爆豪くんの好きそうなもの。アクセは嫌いそうだし無い、ハンドクリーム…は汗腺が塞がれるわ嫌がらせかってキレられそうだな。好きなアーティストもわからないし、読みそうな本も検討つかない。ここまできてよくプレゼントを買いに行こうと思い至ったなと頭を抱える事態だ。…どうしよ。
「こっち」
追いついた上鳴が私の腕を掴んで歩き出す。どこに向かっているか分からないので言われるがままについていく。人並みをすり抜けながら、上鳴の足取りは迷いがない。既に目的の場所が決まっているようだ。
「ねー、どこ行くの」
「もーちょっと」
それから500メートルくらい進んで賑やかなBGMが流れる店先にたどり着いた。着いた先はスポーツ用品店。カジュアルじゃなくて普通に専門的なやつ。ここでどうよ、と隣から評価を促されるので正直に答えた。
「上鳴にしては」
「しては?」
「まともなチョイス」
「俺バカにされてんの?」
「あ、わかった?」
いたずらっぽく笑ってみれば頬を抓られる。ねぇ今のちょっと遠慮なくなかった?仕返しにと脇をどついてやったので、これでおあいこ。
「そういや爆豪の趣味知ってっか?登山だってよ。渋すぎない?」
「登山…登山?!うわ、すごい、眼に浮かぶ。ピッタリじゃん」
カフェの窓際席でまた駄弁る。微妙な時間なのか店内の客足はまばらで、上鳴の話題は止まないし、私も止めるつもりはないし。このまま夕方までだらだらしそうな感じである。
プレゼントは最初のスポーツ用品店を回ってすぐに決まった。上鳴さまさまである。それを素直に言える私ではないので、カフェを奢ることにしたのだ。二人で同じホットのカフェオレを注文した。こういうところも、爆豪くんとは違う。当たり前なんだけど、その違いが逐一私の心をそわそわさせた。
「お前さ、爆豪のことどう思ってんの」
わたしの心を読んだかのような質問が出されたのは、カップのカフェオレが半分くらいになったとき。上鳴の顔はいつも通りだったので深い意味はなく興味があるだけなのだろう。「爆豪くん?」と聞き直してみれば「そ、」と肯定される。
「どう…う~ん…」
どう、と言われても困る。それはとても広い範囲の質問だ。広大すぎて答えようがない。とりあえずフォロワーとしての感想を述べる。
「かっこいいよね、強いし。あと遠慮がない」
「そういうのじゃなくてさぁ、俺が言ってんのは関係性の方」
関係性…もっと答えに窮する。今の私と爆豪くんの関係ってなんだろう。名前がつけられない。
「前にさぁ、友達って言ったら違うって言われちゃったんだよね。だからまだクラスメイトなのかなぁ…」
「クラスメイトねぇ」
「さっきから何なのよ」
「だって俺にはプレゼントくれたことないじゃん」
「は?いや、だって、上鳴はただの幼馴染だし。あげないでしょ」
「はぁ~~~~」
恨みがましい長い長いため息をついて上鳴が項垂れた。テーブルに突っ伏してぐにゃんぐにゃんになっている。
「や、何なの?欲しいなら言ってよ」
「言ってもらうのと、言われなくてももらえるのは違うだろ~?」
「貰うなら一緒でしょ。ほんと何なのよ」
めんどくさい上鳴をほっといて帰ろうかな。一気にカフェオレを飲み干すと席を立つ。一応、ぐんにゃりした幼馴染に帰るよと声を掛けながら。渋々といったように立ち上がった上鳴はお気に入りのキャップをかぶり直し、ちゃんと私の後ろについてきた。
爆豪くんにはあげて、上鳴にはあげない。私の中では必然になっていたことだけど、言われてみれば考える余地が生まれた。上鳴は…うーん、幼馴染だからか遠慮もないし、気兼ねもない。だから何かをあげたりしなくてもこうやって関係を維持できる。でも爆豪くんは気難しいから、それを緩和したり維持するための貢物…?そんな感じ?うん、多分そんな感じだ。そうやって思考を片付けた。
「あれ、爆豪いねぇ?」
休み明けの昼休み、食堂。ランチタイム中の上鳴と話していると切島くんがやってきた。そういや爆豪くんは瀬呂くんと一緒に居たな、と席を見回してみたがそこには瀬呂くんしか居ない。私は既に食器を片付けるところだったのでその話に対応することにした。
「なんか用事?読んでこよっか」
「急ぎの用じゃねえんだけどさ、プレゼント・マイクがこないだのレポートで聞きたいことあるって言っててよ」
「実践教科のやつだっけ」
「そそ」
「なるほど、じゃあ私伝言してくるよ~」
あんがとな!と手を合わせる切島くんに手を振り、食器を片す。ランチラッシュにごちそうさまでした~と元気に挨拶して食堂を後にした。
さて、爆豪くんか。5限は教室での授業だから余裕がある。彼の性格からいって昼休みは騒がしい教室より中庭や校舎裏で時間を潰すのではと見当をつけた。中庭なら渡り廊下から見渡した方が早い。我ながら完璧な推理では?
足早に廊下を進み、階段を駆け上がる。見渡せそうな場所まで着くのにそれほど時間はかからなかった。手摺りから身を乗り出して下を見れば、目的のつんつん頭はすぐに見つかった。見つけやすい色で有難いなぁ。
その場から呼ぼうと息を吸ったところで、彼が一人ではないことに気がついた。こちらに背を向けたその向こう、小柄な女子の制服。見たことない顔だから多分ヒーロー科ではないはず。手を胸のあたりで握りしめ、必死で何かを言っている。あ、これって、もしかして。
爆豪くんへの、「告白」。クラスメイトが冷やかしに言っているのは聞いていたけれど、この目で見るのは初めてだ。不意に生まれてしまった好奇心は女子の表情を見ようと必死だった。後から思えばただの野次馬だ。顔を一層赤らめた女子が、勢いをつけて顔を上げた。
「私、あなたのことが好きです」
女子の唇がそう動いた。瞬間、全てが凍りついたような気がした。時間も、音も、頬に当たる風も、みんなどこかへ行ってしまって、爆豪くんの背中が遠くに感じる。落とし穴に落ちたみたい。
どうして見えてしまったんだろう。好きです。その唇の動きがありありと声を再現して、重く心にのし掛かってくる。好き。あの子は、爆豪くんのことが。
気がついたらそこから逃げ出していた。
「どうしよう」
気付いてしまった。気付かなければよかったのに。何もかも手遅れだった。早足だった足がだんだん動かなくなって立ち竦む。心がぎゅうっと握りつぶされているようで、思わず息を止めた。まだこんな気持ちを抱えるには早すぎる。だって、今はまだやらなきゃいけないことがいっぱいあるんだよ。爆豪くんに置いてかれないように必死なのに。私と爆豪くんを繋いでるのは今それだけなのに。
そんなものどうだっていい、というように私の心を一瞬にして染めてしまったこの気持ちは。
どうしよう。私、爆豪くんのことが好きだ。
ざわざわとどこかの誰かの話し声が戻ってきても、私はまだそこにいた。胸の中で渦巻くものがおさまるまでどれくらいかかるのだろう。全然心を切り替えられる気配がない。このまま午後の授業を受けて、私はまたあの背を眺めるのか。どんな気持ちで?
途方に暮れてそこから動けずにいると、突然後ろから容赦ない蹴りが太腿を襲った。
「んぎゃっ!」
「俺の歩く場所に突っ立ってんじゃねぇぞ!クソブスが!」
迫り来る罵倒の追撃。不意打ちに対抗できる術もなく、私はよろけながらそれでもなんとか踏みとどまった。蹴られた部位がじんじんと痺れていたけれど、この暴挙に抗議しなくてはならない。振り返らなくてもわかる。というかさっきまで考えていたからか、余計に声を意識してしまっていた。
「じ、実力行使するより前に声かけて欲しかったなぁ!」
「かけたわクソが!耳の穴掃除し殺せ!」
「あ、え……?それは、ごめん、聞いてなかった…」
完全に上の空、あまつさえそれを意識していた本人に見られてしまうとか、恥が過ぎる。重ねて謝罪すると、面白くなさそうに舌打ちされた。私も面白くないよ、今は、いろんな意味で。
それにしても、女子に呼び出されて告白されてたのに全然浮かれたりしてないんだなぁ。上鳴を見慣れているからか、とことんドライを通り越して辛口の対応に感心する。そりゃあ女子を平気で蹴り飛ばすような彼だ、そういうことはどうでもいいのだろう。
ふと、そこでやっと目的を思い出す。ごめん切島くん、忘れてた。
「あの、爆豪くん、プレゼント・マイクが呼んでたって。伝言頼まれて…」
「それを早く言えや!」
「急ぎの用ではなさそうだったから、多分大丈夫だよ」
軽くへらりと笑ってみたものの、正直ちゃんと笑えているか自信がなかった。まだ胸の中のもやもやが生きている。爆豪くんは、あの子になんか返事したのかな、とか。思い出すだけで頭を擡げてくる。重症だ。
対する爆豪くんはというと、いつものガンつけスタイルで私を睨んでくる。赤い目に睨まれるのは慣れたはずなのに、今日だけはいたたまれなかった。低い声で「放課後」と彼が呟く。それだけでピンとくる。今日も、施設を借りている。
「ああ、うん。今日も特訓よろしく」
「テメェ、その腑抜けたまんまで俺とタイマン張ろうってんならマジで殺すからな」
「しね!」と言い残し嵐は去った。去った先を確認しながら、ため息をつく。
どうにかコントロールしなくては。放課後、不審に思われないように。
腑抜けていてもいなくても、相変わらず爆豪くんには全然勝てる算段が見つからなくて、昼間より勢いのついた爆速の蹴りによってあえなく撃沈させられたのがついさっきのこと。
訂正、実はちょっとだけ一矢報いることができた。爆速の爆破を少しだけ私の個性で分解して威力を落としてやったのだ。ちょっとびっくりした爆豪くんがすぐさま楽しそうな顔になった時、私はその目に不意にどきりとしてしまった。その後はもう、お察しの通り。意識した気持ちが弱点になってしまうなんて、本当にどうしたらいいのか。私が床にへばって息を整えていると、傍に来てブーツで小突いてきた爆豪くんが楽しそうな声で「俺の勝ちだわ!」とのたまっている。そうですね、今あらゆる件で私の負けなんです。
でも、今日は特別な日なので。
「爆豪くん」
「あ?」
「誕生日おめでと」
鞄に忍ばせてきたシンプルなラッピングの紙袋を目の前に差し出すと、一瞬目を見開いた後、あからさまに警戒される。中身はただのリストバンドなのに。うーん、やっぱりプレゼントは受け取ってもらえないのかも。
一応私なりに色々見て回って上鳴にもジャッジしてもらって、考えた末に購入したのがロゴも何も入っていない黒のリストバンドだった。実はお揃いで自分の分も買ってある。けど、そっちはお守りにするつもりなのだ。同じリストバンドを持つ爆豪くんがいつも無事でありますようにと。一年の林間合宿の時にあんなことがあったから、なんて、これは言ったら絶対爆破されてしまうから隠しておかなければならない。
ぱしん、と勢いよく手から紙袋が引ったくられる。意外にもこれは…受け取ってもらえたのかな?
「テメェ何で知ってやがる」
「爆豪くんのストーカーですから」
「チッ、…どうせデクの野郎だろが」
そういうのも分かっちゃうのが幼馴染なの?ちょっと羨ましい。爆豪くんは相変わらず紙袋を訝しげに見ている。ドッキリとか思われてる…?
「さすがに目の前で廃棄されたら凹んじゃうから捨てるなら寮に帰ってからにしてね」
「つまんねぇモンだったら殺すぞ」
「ご期待に沿えるかは分かんないけど…めちゃくちゃ考えたのは評価して欲しい、です」
「ケッ」
面白くなさそうに紙袋を鞄の上に放り投げ、帰り支度を始めてしまった。やっぱり目の前で開封はしてくれないよなぁ。反応が見たかったけれど仕方がない。私も彼に倣ってバッグを背負い、寮に向かって歩き出す。
その背を見ながら歩いていると、昼間のことを思い出してしまう。中庭、爆豪くんの背中、女子の制服、女子生徒の、告白。
「爆豪くん、彼女欲しいって思ったことある?」
――なんで今聞いちゃうの私。そう思ったのに口をついて出た言葉は取り消せない。
爆豪くんが振り向いてじっとりとした目で見つめてくる。そりゃあそうだ、彼からすれば文脈もなにもあったものじゃない。そういう話題をあまり出さないということも知っている。赤い目に睨まれて居たたまれない気持ちになる。
でも、ずっともやもやしていた。呼び出される爆豪くん、爆豪くんに好きだと言った女の子、それを見て嫌だと思ってしまった私。本当に自分勝手だと思うけれど、爆豪くんは否定してくれると思ったから。それを聞いて安心したかったんだ私は。
「ンだそりゃ」
「昼休み、女子に呼ばれてたじゃん。かわいかったよね」
言わなくてもいいことがすらすらと出る浅ましい口は歯止めが利かない。どろどろとしたものが私の中から出ているみたい。爆豪くんが盛大に舌打ちをする。
「テメェは今そんな浮ついた話するような余裕あんのかよ」
「…私はないよ。全然ない」
「じゃあそういうことだろが。分かりきったこと聞くんじゃねぇわブス、しね」
それだけ吐き捨てて、すたすたと歩いて行ってしまった。えっと、それは好意的に解釈して爆豪くんも今は彼女どころじゃないと、そういうことなの?などと都合のいい頭は都合のいい解釈しか産まなかった。素直に答えてくれるとも思っていなかったが、聞いて少しだけホッとしている自分がいる。
遠くなる背を見て、私の中の好意が暴れ出す。言ってしまえば、と悪魔のように囁くのだ。何言ってるの、ダメに決まってる。歯を食いしばって、無理矢理に腹に力を入れてぐっと抑え込む。いつかこの心を打ち明けるとしても、今はダメだ。今言ってしまったらこの関係は終わってしまう。そしたら私は、きっとヒーローになれない。
爆豪くんは…将来、誰を選ぶんだろう。せめて今だけは、雄英を卒業するまでは、ストーカーという席に甘んじて側に居させてほしい。そう願って後を追って走った。